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天才は短命に。

○○の天才。

その定義は、明確ではないかもしれません。 ただ、私が中学生だった頃に活躍していたとあるお笑いコンビは、 仲間たちからそう言われていました。

フォークダンスDE成子坂

聞き覚えのある方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか。 今やお笑いは「第七世代」に勢いがあり、 大御所クラスと彼らが中心となって、テレビ番組が組まれています。 その第七世代の勢いに匹敵するほど、 20年前の頃の「若手」は、ムーブメントを起こしていました。 お笑い史に詳しい方、お笑い好きな方であればご存知かもしれない 「ボキャブラ世代」の芸人たち。 代表格が爆笑問題、ネプチューン、くりぃむしちゅー(当時:海砂利水魚)など。 彼らが名声を挙げるきっかけとなったのが、 『ボキャブラ天国』という番組でした。 その番組。元々はタモリさんの冠番組で、 視聴者が企画した作品を評価するものでした。 その後、テーマやコンセプトを変えて約6年ほど続き、 うち4年程度、芸人のランキング形式で評価する ネタ番組として人気を博しました。 そのネタというのが、通常のショートコントですが、 オチのワードを変えるというもの。 当時はボキャぶると読んでいました。 いわゆる、ことばあそびであり、ダジャレ。 端的に言うと、ダジャレのセンスを評価する番組でした。 コントそのものの構成力と、言葉のセンス。 ダジャレというと単純なものかもしれませんが、 ストーリーと繋がらないと面白くない。 さらに、評価する側も言葉の意味を知らないとウケない。 実は、私もこの番組で知った言葉や知識が 今の仕事に活かされている要素が多分にあります。 ※今で言う、タモリ倶楽部の「空耳アワー」に近いものがあります そういう番組の一員として、異彩を放っていたのが フォークダンスDE成子坂。 元々コントの完成度が高く、仲間内からの評価も高かった。 ボキャブラ天国では、予想外のオチや枠に捉われない言葉遊びで 爆発的にウケないまでも、マニアには堪らない面白さがありました。 メンバーは、村田渚(ツッコミ)さんと桶田敬太郎(ボケ)さん。 かみ合っているようでかみ合ってない、不協和音的なコンビ芸は、 不思議な魅力がありました。私も好きでしたね。 番組内で一世を風靡したのが、シリーズもの。 彼らはレギュラー枠として出演していたので、 ほぼ毎週ネタを披露していました。

「あんた、あの娘のなんなのさ」

1970~80年代に活動していた ダウン・ タウン・ブギウギ・バンドの 「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」 というヒット曲のワンフレーズです。 この言葉を何通りにも変化させ、 じわじわと観衆の心を引き寄せた伝説を持っています。 他の芸人は、様々なシチュエーションのコントで勝負するのに対し、 成子坂は必ずと言っていい程、1つのネタを色々な側面で見せてくる。 一見手抜きに感じるようで、いい加減ではない。 「またか」「今回もこのネタか」と思わせておいて、 意表を突くところでオチに持っていく。 曲者のような、噛めば噛むほど味が出るタイプの芸人さんでした。 いつまでもお笑いを追求したい、コントをしたい。 そういうタイプで、バラエティー番組や冠番組を持ちたい、 キャラを作って目立つタイプではないので、 一般的にウケる、売れることはありませんでしたが、 その世界観に、ハマった人は当時多かったです。 その彼らは悲運なもので、 ボキャブラ天国が終了した1990年代後半にコンビを解消。 桶田さんはバンド活動へシフトし、 村田さんはフリーのピン芸人へ… その後、村田さんはピン芸人の活動を経て、 かつて同じ事務所だった後輩と「鼻エンジン」を結成。 成子坂時代はコント主体だったのが、漫才で勝負する形を取りました。 当時のM-1(島田紳助さんが審査員だったころ)に出場し、 準決勝までは必ず顔を出すほど、実力派として結果を出していました。 ところが、2006年11月。村田さんが病気により急逝。 あまりに突然過ぎる別れに、衝撃が走りました。 元相方の桶田さんにとってもショックは大きく、 告別式で号泣したそうです。 やはりお笑いの世界へ一緒に入った仲間。 志半ばでの旅立ちは、気持ちの整理には時間が無さすぎたのでしょう。

そして、その桶田さん。

バンド活動へ転身した以降は、再びお笑いの世界へ。 表舞台ではなく、構成作家などの裏方としての始動でした。 メディアではなく、SNS上で近況を配信していたようで、 成子坂当時を彷彿とさせる、独自の世界観がそこにはありました。 ただ… 2020年2月、突然の訃報が報じられました。 2019年11月に病気により亡くなったと。 フォークダンスDE成子坂のメンバーが、お二人とも。。 後報として、10年間もの闘病生活を送っていた末の最期。 SNSからはそんな様子は微塵も感じませんでしたが、 実のところは、村田さんが亡くなってから程なくして 病気を発症した時間軸になります。 さすがに、村田さんも寂しくなったのでしょうか。 それは美談に寄せすぎかもしれませんが。 リアルタイムでは見られないコンビながら、 時々過去のVTRを漁っては、懐かしみながら笑ったコンビ。 村田さんの訃報すら、未だに衝撃が残っていただけに、 桶田さんの訃報も、非常に悲しかったです。 村田さんは35歳。桶田さんは48歳の生涯。 お笑い史に爪痕は残していると思いますが、 逝くには早い。。 天才は、一瞬ものすごく瞬いて、 潔く消えていくものなのか…

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